JLPGAツアー観戦記

ナイスー♪

2023年 第16戦 ニチレイレディス

【初日】
ニチレイレディスが今季の私の(生観戦の)開幕戦になった。都賀駅からシャトルバスで袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コースへ向かう道中の30分間、後ろの席のベテランウォッチャーが語る「俺のゴルフ観戦史」がたいへん面白く、あっという間に到着してしまった。ちょっと朝がゆっくりだったため、目当ての12組はもうティグラウンドに。なんとかギリギリ間に合った。上田桃子渡邉彩香、そして菊地絵理香の3人が今日の12組である。(あ、そういえば今日の上田のキャディは、ちゃんと見てなかったがきっと新岡だったんだろう。)さて、上田桃子がさすがの安定感で-4の7位Tと好スタート。渡邉はやはり砂や木がよく似合う。今日は木の根っこからの脱出劇が素晴らしかった。一方、菊地絵理香である。序盤渋いパーパットで凌いでいたが6番でボギー先行。しかし、後半10番Par5でバーディゲット。その後もバーディパットを打ち続けたが入らず、このままEVENで初日を終えた。Today EVENは58位T。今週は50位Tまでが決勝へ。明日はちょいと努力が必要。ちなみに本日唯一のそのバーディを、ランチなんかゆっくり食べてしまっていたせいで見逃した。これはさすがに帰りのバスで自分自身を思い切り責めた
12組以外で印象に残った選手といえば、神谷そらだ。画面で見ていたイメージよりかなりデカい。原英莉花のいない今、ティーショットの迫力はピカイチかもしれない。それとリ ハナ、何か食べたかったのか屋台付近をウロウロしていた。選手もここで買ったりするのか。
行きのバスのベテランが「新袖は素晴らしいコース」と褒めちぎっていたが、たしかにフェアウェイは広く見晴らしがとても良かった。しかし、一部の選手にとっては景観を楽しむ余裕なんてない。今週は第一回リランキング、最低でも予選を通過しないといけない大会なのだ。

 

https://www.alba.co.jp/articles/category/tour/jlpga/post/j1t-mdi92jur/

 

これによると、今週のニチレイレディス終了時点のメルセデスポイントが100ptを超えていれば、宮城ダンロップまでのほぼ全試合に出場する権利を獲得できるということのようだ。そのボーダーである暫定リランキング30位前後の選手をざざっと挙げてみると、

28 石井 理緒  103.55
29 新海 美優  81.35
30 若林 舞衣子 78.77
31 照山 亜寿美 77.15
32 工藤 優海  72.50
33 上野 菜々子 72.40

上記全員ニチレイレディスに出場しており、初日のスコアがそれぞれ、工藤が-1の36位T、若林がEVENで58位T、新海、照山、上野が+1の71位T、石井が+2の85位T、という状況である。照山、上野あたりは予選落ちはどうしても避けたいところだろう。ここには書かなかったが、鶴岡果恋が暫定リランキング36位だが、本日初日-3で14位Tと良い位置だ。30位の若林とはおよそ25pt差である。もし葛城のリベンジ(最終日最終組首位スタートを活かせなかった悔しい試合)を果たすとしたら今週しかない。

そして初日最後に書くのはやはり山下美夢有のことだろう。15番のパーパットを決めて-5(その時点ではサイペイインが首位)だったのをこの目で確認し、すぐそばの18番の12組を見て帰路についたのだが、帰りの電車でリーダーボードを確認したところ、残り3Hを2バーディで上がって、普通に定位置にいた。そして明日も普通にやって、最終日も普通に勝ちそう。不動裕理の全盛期ってこんな感じだったのだろうか。かなりそれに近づいてきているのは間違いないだろう。

【2日目】
岩井明愛Today-10のコースレコードを叩き出した。昨日入らなかった鬱憤を晴らすかのような爆発っぷり。明愛のホールアウト時、山下美夢有はまだハーフを終えたところだった。その時点で-10の明愛が山下に1打差をつけて首位。だが山下にあと9Hあったらどれくらい伸ばしてくるのかは誰もが、いや明愛自身がよく解っているはずだ。2つ3つくらいで済んでくれれば御の字だし、万が一に落としてくれたら明日は少し戦いやすくなる。さて結果はどうなったか。5つ伸ばした山下が-14で、明日最終日最終組で再び岩井姉妹と戦う。このペアリングだと第11戦RKB×三井松島レディスを思い出すが、今週はプレーオフはない。山下とは3位の岩井千怜で6打、2位の明愛も4打離れている。今の山下相手にこの差はあまりに大きい。さらに同じ相手同じ状況で女王は2度負けない。山下の今季4勝目は間違いないだろう。もし明日、山下以外の優勝者が現れるとしたら、穴井のアニキしかいない。
昨日書いた暫定リランキング30位前後勢、ド根性を出したのは若林舞衣子照山亜寿美、それと35位の薮田梨花、この3人が43位Tギリギリで予選通過。同ランク36位の鶴岡果恋は今日も3つ伸ばし10位T。10位Tでフィニッシュできれば、中盤戦の出場権を勝ち取ることができそうだ。
あとは久しぶりに東浩子(団長)がプレーするのを見た。今日最終組でがんばった吉田由美子も同様に、懐かしい面々がまだまだ元気にやっているのをみるのはうれしい。
明日は観戦(DAZN)はするがブログの更新は試合直後は行えそうにないので、上記の優勝予想のようなものを書いてみたというわけだ。
いや、「山下が優勝する」はもはや予想でもなんでもない。当たったとしてもそれは、全盛期のディープインパクト単勝馬券を買って「とったどー!」とイキっているようなものだ。
菊地絵理香は1打足りず予選落ち。来週のアースでの優勝は、ないか(哀)

※訂正。山下と岩井姉妹の最終日最終組は今回が初。RKB松島はプレーオフで3人対決が実現。

2日目終了後、上位の顔ぶれ


【最終日】父の日
中学生の娘がふたりいる我が家は、本日「父の日」という言葉すら出ることはなかった。以上。
最終日、結果は山下美夢有の磐石の勝利だったが、岩井千怜の4連続バーディ、岩井明愛の8番チップインなどで一時は2打差まで詰め寄られる。しかし女王は慌てない。13番で「私そろそろいくね」とバーディをさらりと奪うと、あとは後続の追い上げを確認しながら安全にパーセーブ。誰もに優勝を予想される側の気持ちなど凡夫の私に知る由もないが、スポーツでは「大本命が負ける」シーンをよく見ることから、優勝候補にはいつも計り知れないプレッシャーがかかっているのがわかる。だがそれを超えて勝つ。この小さな体でなんてすごいことをやってのけるのだろう! 表彰式では父への感謝を述べ、めずらしく涙を流し嗚咽した山下。それを聞いていた観客席のお父さん世代はじんわりくるものがあったのか、みんな下を向いていた。今季4勝目、通算10勝達成。おめでとう絶対女王
それにしても敗れはしたがやはり恐るべし岩井姉妹。特に明愛は超ビッグスコアを出した翌日(次の日は沈黙のパターンが多い)であり、さらに難しいと言われる最終日のピンポジションでも-4。これはこれでけっこうバケモノの所業である。この3人のJLPGAでの活躍を見ることができるのはおそらく今季まで。君たちには日本は舞台が小さすぎるのだ。また、日本では壁にブチ当たることももうないだろう。この後の全米、全英を直接肌で感じて「イケる」と思ったら(思うに違いないが)すぐに荷物をまとめるがよろしい。
最後に、第一回リランキングが確定した。
鶴岡果恋が5位Tで55ptを獲得、27位まで順位を上げ中盤戦の出場資格をゲット。その他は以下に貼っておく。

比嘉真美子、新垣比菜の巻き返しが楽しみ。そして何より櫻井心那の初優勝に期待

木村彩子が飄々と上位に。全英でやってくれるのは意外に木村かも。