JLPGAツアー観戦記

ナイスー♪

2023年 第24戦 CAT Ladies


【初日】

全英オープンに参加していた選手が帰ってきて、久しぶりにフルメンバーでの開催となった。(吉田優利は予定通りの休み)
帰国組で圧倒的強さを見せたのが、サントリー以来2ヶ月ぶりの国内戦出場となった西郷真央だ。9バーディ・ノーボギー、おそらくピンチは17番の4mのパーパットくらいだったと思うが、それも確実に決めて初日単独首位に立った。今日のプレーは、昨季序盤に10戦5勝と無双していた頃を思い出させた。この西郷をはじめ、山下美夢有岩井姉妹ら来季米ツアーを主戦場をするメンツが、お互い切磋琢磨してもっともっと覚醒すべし。そして米メジャーで優勝するために足りないものは何なのか、そのヒントをつかんで海を渡ってほしい。
その西郷と2打差、2位につけたのは大里桃子。27Rという短期決戦となったリシャールミルで一時首位に立ったのを覚えているくらいで、今季はまったく調子があがってこないようだ。直近も6試合連続予選落ち中だが、初優勝の舞台であるここ大箱根で復活宣言できるだろうか。
3位Tに櫻井心那穴井詩の全英帰りの2人と川岸史果蛭田みな美、そして比嘉真美子。比嘉は前回のリランキングで見事に中盤戦の出場権を得たものの、そこから5戦連続予選落ちが続いており、メルセデスポイントランキングでも67位と、来季シードの50位以内へ滑り込むためには、1戦足りとも無駄にはできない状態だ。今大会を上位でフィニッシュして、逆転シード入りのきっかけになるといいのだが。
女王・山下美夢有は8位からトップを臨む。実は全英でポイントアップした申ジエが現在女王なのだが、ここで勝てば再び返り咲くことになる。この状況で気合が入らないはずがない。今週はぜひとも山下と櫻井の優勝争いが見てみたい。
先週初優勝を果たした菅沼菜々小祝さくら、全英帰りの岩井千玲らが9位T。同じく9位Tの天本ハルカが12番でホールイン・ワンを達成した模様。またか。今季は本当に多い。
最後に菊地絵理香は3バーディ・1ボギー、30位Tで初日を終えた。明日のカットラインは2アンダーが濃厚だ。明日も60台であがって、スッキリ予選通過してほしい。

おかえり勝っちゃん。終盤のバーディラッシュで2アンダー

我らが比嘉真美子。今回は行けそうだ

山下は妹をキャディに従えて

西郷、再び輝きを取り戻せるか

【2日目】
昨日驚異的なスコアを叩き出して最終組で回った西郷真央。爆発した翌日なので今日はひとつ伸ばすにとどまった。それを追った櫻井心那はキッチリ3つ伸ばして3位をキープ。その西郷、櫻井と並んで明日最終日最終組で戦うのは、今日6バーディ・2ボギーのナイスラウンド、プロ8年目で悲願の初優勝を狙う蛭田みな美だ。そして我らが比嘉真美子はバーディパットがことごとく入らず苦しいラウンドだったが、それでも1つ伸ばして7位T。しかし前後かなりスコア的に詰まっているので(4打差に15人)、明日トップ10フィニッシュのためにはまったく油断はできない。その他、川岸史果と5つ伸ばした勝みなみ仲宗根澄香が2打差で首位をうかがう。
最後に菊地絵理香。1打足りず8試合ぶり予選落ち。今日オーバーパーだった選手で予選通過をしたのはたったの2人しかいなかった。菊地は3バーディ・4ボギーのToday +1。画面には映らなかったが17番のボギーがとどめとなってしまったようだ。菊地が最後に予選落ちしたのは6月のニチレイレディスまでさかのぼる。それは私が現地で観戦した大会だ。連続出場が続いており疲れはピークを超えているはず。このCATレディスは休んでもよかったのではないか。なんだか「私には時間がないの……」とでも言い出しそうな雰囲気を感じる。ただ昨年と同様の気持ちで、最終戦(リコー)に出場しようとしているのなら、そのリコーへの参加チケット(レギュラーツアー優勝)を得ようとする彼女を、これから先も全力で応援するしかないだろう。

さて、明日の最終日は所用により観戦ができないため、月曜に結果を追記する形になる。優勝は普通に予想すれば-7までの選手になるだろう。しかし-6の小祝さくら岩井千玲菅沼菜々穴井のアニキ、この4人は爆発スキルがあるので、たいへん面白い最終日になるに違いない。

サプライズなら、桑木か竹田。仲宗根はちょっとな。。。

【最終日】
所用につき最終日の観戦が叶わず、結果がわかった上での録画観戦だったが、プレーオフ2打目まで「本当に蛭田選手が優勝するのか」と疑った。8番のスーパー・パーセーブからの9番バーディで50%、そして16番のバーディで90%、蛭田みな美の優勝確率(私調べ)は、18番の残り1mのウイニングパット前は99.999%まで上がっていたのだ。それがまさかの3パット。同組の櫻井心那と談笑気味に祝福の拍手の準備をしていた西郷真央だったが、蛭田のパットがカップを回ったのをみて、瞬時に表情を引き締めたのが印象的だった。結果論だが、西郷は蛭田以上に気持ちの切り替えが難しかったのではないか。しかし、これだけ終盤に負けフラグが立ち続けたのに勝つとは、今日は蛭田の日だったのだろう。来年のCATもまた優勝してほしいし、もちろんまだ続く今シーズン2勝目を狙ってほしい。表彰式のスピーチもシンプルでとてもよかった。蛭田みな美選手、初優勝おめでとう

●1番で荒川怜郁の2ndが先に打った桑木志帆のボールに直接当たる(上からカツーン)という珍しいシーンがあった。
山下美夢有が体調不良により最終日を棄権した。

プレーオフ、西郷のバーディパットは残念ながら左に切れた

櫻井の追撃はなかった。さすがに疲れたか